目次第6章:量子領域 (V5.05)

I. 現象と疑問点

特定の金属やセラミックスを十分に冷やすと、抵抗は測定限界を下回り、電流が年単位で減衰なく巡回します。外部磁場は試料内部から押し出され、量子化された磁束管としてのみ侵入します。二つの超伝導体の間に極薄の絶縁層を挟むと、無電圧でも安定な電流が流れ、高周波を照射すると電圧に離散的な階段が現れます。

これらの指紋—零抵抗、完全反磁性(量子化侵入を伴う)、ゼロバイアス超電流、RF階段—は直感的な疑問を生みます。なぜ冷やすだけで「摩擦ゼロ」になるのか。なぜ磁場は決まった量子単位でしか入れないのか。なぜ絶縁層を挟んでも電流が流れ、マイクロ波で整然とした段差が刻まれるのか。


II. エネルギー・フィラメント理論(EFT)による見取り図:位相をそろえた電子対、散逸経路の集団遮断、障壁をまたぐコヒーレント中継

  1. まず対をつくり、ついで位相を縫い合わせます。
    EFTでは電子を安定な単一ループの巻きとして捉え、外層がエネルギーの海(Energy Sea)と格子に結合します。冷却で格子の揺らぎが減ると、ある材料では二つの電子が逆向きの巻きで後追いしやすい「張力回廊」が生まれ、電子対が形成されます。対になると多数の散逸経路が打ち消されるか弱まります。さらに冷やすと多くの対の外層位相がそろい、試料全体を覆う**共通位相ネットワーク(位相カーペット)**が敷かれます。
  2. 零抵抗の理由:損失経路を集団で閉じます。
    通常の抵抗は、環境へエネルギーが漏れる微小経路—不純物、フォノン、境界荒れ—に由来します。位相カーペットが敷かれると、コヒーレンスを壊す局所的な皺が生じにくくなり、損失のしきい値が急に高まります。駆動がカーペットを裂かない限り電流はエネルギーを手放さず、零抵抗として観測されます。
  3. 反磁性と磁束量子化の理由:位相は勝手にねじれません。
    平滑さを保つため、位相カーペットは磁場に恣意的にねじられません。表面には遮蔽電流が自発し、磁場を押し戻します(マイスナー効果)。一部の材料では、磁場は細い管としてのみ許され、それぞれが位相の整数回の回り込みを要求します(磁束量子化)。各管は位相が巻き付く中空の張力コアとみなせ、互いに反発して幾何学的配列を作ります。
  4. ジョセフソン電流の理由:臨界近傍の細隙でのコヒーレント中継。
    二つの位相カーペットを極薄の絶縁層で隔てると、間の細隙は臨界に近い状態に保たれます。ここでは両側の位相がコヒーレントに受け渡しを行い、粒子が「押し通る」のではなく、両岸の間に短い位相ブリッジ縫い付けられます。
    • 両側が同じ拍を保てば、ブリッジは位相を安定伝送し、無電圧で直流超電流が流れます(直流ジョセフソン)。
    • 拍がずれる—直流電圧やRF駆動—と、位相差は等速に進むか外部にロックされ、ブリッジが一定リズムで超電流をポンプします。結果として交流応答や電圧階段が現れます。
  5. 至る所が完璧でない理由:欠陥と裂け目が損失を開きます。
    大電流・強磁場・高温、あるいは量子化渦のピン止めがあると、位相カーペットは引きずられて穴が開き、そこからエネルギーが漏れます。臨界電流、損失ピーク、非線形応答が生じます。

III. 代表的な舞台


IV. 観測される指紋


V. 従来理論との整合


VI. 要するに

超伝導は「電子が突然完璧になる」わけではありません。順番はこうです。まず対を作る次に位相をロックする最後に障壁をまたいで受け渡す


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版情報:初版:2025-11-11 | 現行版:v6.0+5.05