目次エネルギー・フィラメント理論 バージョン (V6.0)

I. まず位置づけを釘で固定する:強弱は「ルール層」に近く、新しい二本の手ではない
前節では、第三の大きな基本力を「渦巻きテクスチャの整列」と「スピン–テクスチャのインターロッキング」として置いた。ここで答えているのは、「接近したあと、どうやって掛かり合うのか」「なぜ短距離なのに強いのか」という問いだ。
しかし、「掛かる」だけでは足りない。現実の世界で構造は、生成・衝突・吸収・放射・崩壊のたびに、「局所のぎこちなさ → 局所の不安定化 → 局所の再配列」を繰り返す。宇宙が混沌から、安定した粒子スペクトル、安定した核構造、再現可能な反応連鎖へ進むには、より“工程ルール”に近いものが要る。

エネルギー・フィラメント理論(EFT)では、この一連の“工程ルール”を、強い相互作用/弱い相互作用の層にまとめて置く。強い相互作用と弱い相互作用は、余分な手ではなく、構造が実行してよい修補と書き換えのルールである。


II. 口播で使える二つの釘:強=欠損の埋め戻し/弱=不安定化と再組み立て
強弱を抽象名詞のままにしないために、本節は二つの「動作の釘」を、覚え句として打ち込む。

これは修辞ではなく、「構造が何をするか」の最短要約だ。強い相互作用の見え方の核心は、極短距離で構造の「欠損」を埋め、ロックをより強く、より完全にすること。弱い相互作用の見え方の核心は、ある閾値を満たすと「分解して組み直す」書き換えが許され、構造アイデンティティが別のものへ変わることだ。
スピン–テクスチャのインターロッキングが「留め具」だとすれば、感触はこうなる。


III. まず「欠損」を語る:欠損は穴ではなく、自己整合の欠落項
「欠損」という言葉は幾何学的な穴と誤解されやすいが、ここでいう欠損は、構造台帳の「欠落項目」に近い。

「ファスナーを最後まで上げていない」と考えると分かりやすい。見た目は閉じていても、ほんの一部分の歯が噛んでいなければ、そこから裂けはじめ、全体は安定とは言えない。
要するに欠損とは、重要な箇所で「閉合」と「拍合わせ」を完了できず、自己保持の条件が未完成のまま残った状態である。


IV. 強い相互作用としての「欠損の埋め戻し」:不完全なロックを完全なロックに補う
エネルギー・フィラメント理論では、強い相互作用は非常に具体的な構造工程として捉えられる。構造が自己整合に近づいているのに欠損が残ると、系は極短距離の強い再配列で欠損を埋め、より安定したインターロッキング状態へ押し込もうとする。
この「埋め戻し」は、三つの層で見ると理解しやすい。

  1. 張度(Tension)の埋め戻し
  1. テクスチャの埋め戻し
  1. 位相の埋め戻し

強い相互作用が「強い」のは、より神秘的だからではない。欠損を埋め戻す作業自体が、高コストで高い閾値を持つ局所再配列だからだ。

  1. ごく短い距離で、大きな構造修補をやり切らねばならない。
  2. そのために、局所の張度(Tension)配分と位相協調を高い精度で一気に揃える必要がある。

だから強い相互作用は自然に、短距離・高強度・そして明確な構造選択性として現れる。
一言で言えば、強い相互作用は「もうロックしかけだがまだ漏れている」構造を、「本当に密閉したロック」へ補い上げる。


V. 弱い相互作用としての「不安定化と再組み立て」:スペクトルを書き換え、アイデンティティを替え、変換チャネルを走らせる
強い相互作用が構造を「より堅くする」側なら、弱い相互作用は構造が「変われる」側に近い。多くの現象は「ロックが弱い」ではなく、「ロックそのものを書き換える必要がある」タイプだ。直感的にはこう見える。

だから弱い相互作用の中核動作は「不安定化と再組み立て」になる。ここでの不安定化は事故ではなく、許可されたチャネルだ。閾値が満たされると、構造は一時的に元の自己整合の谷を離れ、遷移状態(多くの場合、一般化不安定粒子や W ボソンと Z ボソン(WZ)の遷移パック)へ入り、そこで再配列して新しい構造となり、差分エネルギーを放出する。
「橋を渡る」たとえがよく効く。

弱い相互作用は、まさに「橋を渡ることを許す規則集合」である。
一言で言えば、弱い相互作用は構造に「アイデンティティを替える合法ルート」を与える。


VI. 強弱と一般化不安定粒子の関係:埋め戻しも再組み立ても、遷移状態を「施工隊」として使う
強い相互作用と弱い相互作用が短寿命の構造と絡みやすいのは、修補や改造がしばしば「臨時の作業員」を必要とするからだ。材料科学でも同じで、亀裂補修では粘性のある遷移的な“糊”が先に現れ、溶接では局所の溶融帯が先に現れ、相転移では揺らぎ核が先に立つ。
エネルギーの海でも事情は変わらない。

したがって一般化不安定粒子は、ここでは傍観者ではない。強弱の“工程ルール”が実行されるときの、典型的な担い手になる。

だからこそ短寿命の世界は、巨視的な構造に大きく効く。宇宙の「修補と改造」の多くが、それに依存しているからだ。


VII. なぜ強弱は「坂」より「規則」に見えるのか:閾値と許可集合を決める
重力や電磁気は勾配決済で説明できる。坂がそこにあり、歩けば必ず“決済”が起きる。
一方で強い相互作用/弱い相互作用は、より「ルール層」に近い。何が許され、何が必須で、どのチャネルが開くかを決める。見え方の特徴も、規則らしくなる。

  1. 離散的な閾値
  1. 強い選択性
  1. 変換チェーン

このためエネルギー・フィラメント理論では、強弱は「化学反応のルール表」に近く、重力のような「無差別な下り坂」とは性格が違う。


VIII. もっとも重要な統一イメージ:構造形成の三段工程
後で「構造形成の大統一」をそのまま流用できるよう、本節は構造形成を三段の工程図に圧縮する。

  1. まず道を敷く(電磁気/テクスチャ勾配)
  1. 次にロックを掛ける(スピン–テクスチャのインターロッキング)
  1. 最後に補修と改型(強弱のルール)

一言で工程を釘付けにするなら、「道が連れてきて、ロックが留め、ルールが埋めて作り替える」。


IX. 本節のまとめ


X. 次の節で何をするか
次の節では、四力統一を一枚の総表として書き下す。三つのメカニズム(テンション勾配、テクスチャ勾配、スピン–テクスチャのインターロッキング)に、ルール層(欠損の埋め戻し、不安定化と再組み立て)と、統計層(統計的テンション重力(STG)/テンション背景ノイズ(TBN))を足し合わせる。目標は、「統一」をスローガンで終わらせず、後続章が項目ごとに展開でき、さらに人工知能(AI)へそのまま投入できる全体地図にすることだ。


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署名(推奨):著者:屠广林|作品:『エネルギー・フィラメント理論』|出典:energyfilament.org|ライセンス:CC BY 4.0
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版情報:初版:2025-11-11 | 現行版:v6.0+5.05